プレビルド方式の特徴とメリット・デメリットを知って投資に活かそう

プレビルド方式の特徴とメリット・デメリットを知って投資に活かそう ベトナム不動産情報

ベトナムの不動産投資の中でも知っておかなければいけないのが「プレビルド方式」という言葉です。このプレビルド方式には大きなチャンスと、そしてリスクが潜んでいます。

この記事では「プレビルド方式」とはどんな方式なのか、そしてその特徴を5つ紹介した上で、リスクとチャンスについて分析していきます。

ベトナムで行われているプレビルド方式とは

そもそもプレビルド方式とは、どういう方式なのでしょうか?
プレビルドとはプレ(前)ビルド(建築)という意味であり、建築前に売買が行われるという方式です。ベトナムのマンションでは建築が始まる前に販売が開始され、完売することがほとんどです。ですので、購入してから入居までの間には数年間の期間がかかることになります。

物件代金の支払いは、購入時に手付金を支払い、その後は建築計画に応じて決められたスケジュールに基づいて払っていくこととなります。

この方式はデベロッパーが沢山のプロジェクトを進めることを考えると、とても良くできた仕組みです。デベロッパーは建設が始まる前に販売を行い、手付金という形である程度の資金を手に入れることができます。さらに、建築の進度に応じて分割で物件価格を支払うため、工事にかかる費用をそのまま売上として手に入れながら進めることが出来るのです。

このプレビルド方式がなければ、開発の数も少なくなっていたかもしれません。

プレビルド方式の特徴1:キャピタルゲインが大きい

プレビルド方式の特徴として、キャピタルゲインが大きく、その機会も多いという点が挙げられます。最初の売り出し価格は安価であることが多く、建築が進めば進むほど市場価格が上がっていくという特徴があります。また、最初は手付金のみで権利を購入することができるため、手元に大きなお金がない人でも投資を行うことが出来るという特徴もあります。

そういう特徴があるため、物件完成時にはもうすでに3人目のオーナーになっている、というケースもあります。販売開始時に購入をした1人目のオーナーが建築途上で2人目のオーナーに対して売却し、完成時点で3人目のオーナーに売却するようなケースです。このようなケースの場合、1人目のオーナーも2人目のオーナーもキャピタルゲインを手に入れることとなります。しかも、1人目のオーナーは物件価格の15%などと設定されている手付金に相当する金額だけで投資を行う、ということも可能なのです。このように、手元資金が不十分だとしても、決められた支払期日までに売却が可能であれば参入できるということもあり、ベトナムの富裕層、中間層もこういった投資を行う人が増えています。

プレビルド方式の特徴2:建築工事のリスクを購入者が追うことになる

不動産建築プロジェクトでは最後まで完成せずにデベロッパーが倒産してしまうリスクや、又は建設が遅れてしまうリスクがありますよね。プレビルド方式と、完成後に販売する方式のリスクについて考えてみることにします。

もしデベロッパーが倒産し、販売予定のプロジェクトが未完成となった場合のリスクとしては、通常の新築販売の場合はデベロッパーに対して資金を提供している株主や銀行がそのリスクを負っていることとなります。しかし、プレビルド方式の場合は、資金提供者だけでなく購入者もこのリスクを追うこととなります。具体的に言えば、手付金及び進度に合わせた物件価格を支払ったにもかかわらず、物件が完成せずに引き渡しが行われない、ということです。

ただ、ベトナムなど成長中の国であれば、多くのケースではそのデベロッパーのプロジェクト自体を他デベロッパーが引き継いで完成までこぎつけることが多いので、物件が手に入らない、ということはほぼないでしょう。しかし、そのようなケースの場合は当初よりもコストが掛かって建築されることとなりますので、当初の想定とは異なることも増えてくるかもしれません。

また、建築プロジェクトが遅れた場合はお金を支払ったのになかなか物件の引き渡しが行われないこととなります。家賃収入が入ってくるのが遅くなるために資金の調達先によっては追加の金利を払う必要が出てきたり、新しい投資に回す資金が一時的に塩漬けになったりする可能性があります。

このあたりは正直なところデベロッパーによるところが多いと考えています。以下の記事ではベトナムの大手デベロッパーベスト5を紹介していますが、このような大手デベロッパーであればリスクは小さいと言えるでしょう。

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プレビルド方式の特徴3:分割払いが可能

プレビルド方式は決められたスケジュールに従って物件代金を支払うため、購入の段階で物件価格の満額を用意する必要がありません。将来の収入を見込んで購入することができます。ベトナムの不動産投資では、ベトナム人以外はベトナム国内の住宅ローンを利用することができません。ですので、日本国内で何らかの形で資金調達を行い、その現金で一括払いで購入することとなるのですが、支払いスケジュールに従って払うことで、手元資金がまだ潤沢にない段階でも購入が可能となります。

プレビルド方式の特徴4:計画どおりいかないと大変なことに

将来見込んでいた収入がなくなり、決められたスケジュールに物件価格を支払うことができなくなる場合は、手付金の没収という可能性も考えられます。または、プレビルド期間内での転売を予定していたが買い手がつかずに、保有資金を超える支払いが必要になるということも考えられます。実際に、ベトナム人投資家の中にはこのような事態となり損をしている人も発生しているようです。

エリアによっては、予定よりも地下が上昇しないというエリアも出てくるでしょう。そのような場合は、転売した際のキャピタルゲインが少なくなる、または買い手がつかない、という事も考えられます。ベトナムでは急な都市計画の変更も可能性としてはありえますので、プロジェクトが長期になればなるほどリスクは高まります。それに対して、都市計画に含まれているような大規模プロジェクトであれば都市計画の変更によるリスクは少ない、とも言えます。

未来の資金を当てにしたプレビルド物件の購入はレバレッジを効かせるという意味ではとても効果的なのですが、その資金のスケジュールが送れるリスクなどを適切に評価して行う必要があるといえるでしょう。

プレビルド方式の特徴5:計画とは違う物件になるというリスク

プレビルド方式の場合の購入時には計画の図面を見て契約することになります。実際の物件がないので、当然ですよね。CGでの完成予想図など、イメージできるような資料はデベロッパーがたくさん創っているとは思います。複数棟のコンドミニアムを建設するようなプロジェクトの場合は、すでに完成している棟を見て購入するようなケースもあるでしょう。

そのような時に、本当に期待と同じものができるかどうかというのは正直「絶対にできます」とは言えないと思っています。見えないところでのコスト削減や手抜き工事がある可能性もありますし、共用施設がグレードダウンする可能性だってあります。このあたりはデベロッパーを信頼するしかないという部分もあるので、購入予定の不動産のデベロッパーの過去の実績などは十分調べるのがよいでしょう。すでに建設済みの棟と、新たに建設する棟では明らかに後者がコストダウンをしているような物件も一部出回っているようです。

また、ベトナムでは内装工事は購入者が自己負担で自由に行うということになっています。ですので、キッチンやダイニング、壁材などについては完成予想図とは違うものになるのが当然です。この内装工事については購入する代理店やデベロッパーを通じて発注するしかないので、信頼できるパートナーを見つけることが重要になります。

プレビルド方式は悪なのか?

ベトナムを含む東南アジアの不動産投資を調べていると「プレビルド方式なのでリスクがあります」というようなことが言われていることもあるのですが、ここまでご説明してきたように、プレビルド方式にはリスクとチャンスが同じくらいあると考えられるでしょう。

プレビルド方式がリスクだと思った場合はそのリスクを減らす方法があります。それは、物件が完成した時点の転売物件を購入すること。もちろん当初の物件販売価格よりは効果になりますが、そもそもの当初の価格は「プレビルドにおけるリスク」を織り込んだ価格であり、完成時の価格を予測してその価格での購入を行えばよいのです。

逆に、このプレビルド方式がチャンスだと思った場合はこの記事で紹介したような投資方法を行うことができます。もちろん一定のリスクはありますが、その分リターンも大きいでしょう。

まとめ

ベトナムではもはやこのプレビルド方式がスタンダートになっているため、プレビルド方式が「良い」か「悪い」かの議論をしても仕方がありません。この方式の特徴・メリット・デメリットを把握した上で、自分にあった投資スタイルを見つけていくのがベストなのではないかと思います。

 

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