ベトナム南部最大の都市「ホーチミン市」中心部のエリア紹介(1区、2区、3区、フーニャン区、ホーチミン市メトロなど)

ベトナム不動産情報

ベトナムには首都ハノイ、そして最大の経済都市であるホーチミン市という2つの大都市があります。どちらの都市でも不動産開発が活発に行われており、投資対象としても素晴らしい市場が形成されています。
今回は、そんなベトナム2大都市のエリアのうち、南部にあるホーチミン市についてご紹介していきます。

ホーチミン市はフランスのパリと同じように区の名前に数字が用いられています。
中心エリアは1区で、それを取り囲むように2区、3区、4区、7区、フーニャン区、ビンタイン区という区があり、日本人駐在員もこれらのエリアには多く居住しています。

名実ともに街の中心1区

ホーチミン市の街の中心は1区という区になっており、ホーチミン市人民委員会(市役所)などの政治機関はもちろんのこと、高層オフィスビルやショッピングセンターが立ち並びます。

1区南東エリア(ビジネス・経済の中心)

その1区の中でも経済やビジネスの中心となっているのが、グエンフエ通りを中心とした南東エリア。2015年に1年以上かけて再開発されたグエンフエ通りの終端にはホーチミン市人民委員会庁舎があり、ホーチミン氏像、そして蓮の噴水とベトナムを象徴するものが並んでいます。
このエリアにはホーチミン市の高層オフィスビルが集まっており、その中でも2010年に完成した、地上265メートル/68階建てで2019年までホーチミン市最高層だったのビテクスコ・フィナンシャルタワーや、ホーチミン市における高層オフィスビルの先駆けとなったサンワータワー(1995年完成、高さ92メートルは当時ベトナム最高層、清水建設による施工)、そして低層階には高島屋が入居するサイゴンセンタービル(第1期は1996年完成、高さ106メートルは当時ベトナム最高層、第2期は2016年完成、高さ193メートル)などはどれもホーチミン市を代表するビルです。
これらのビルの中には高島屋、ANA、JETRO、みずほ、トヨタなど、日本を代表する企業のオフィスも多数入居しています。
商業施設としてもZARAやH&Mのベトナム第1号店が出店するビンコムセンター(2010年開業)があり、その向かいには2019年にユニクロがベトナム第1号店を開業、2020年には同ビル内に無印良品のベトナム1号店が開業予定と、ホーチミン市で最も賑わっています。
ビンコムセンタービルの高層階や、サイゴンセンタービルの高層階には住居(サービスアパート)もあり、駐在員やベトナム人富裕層が多く住んでいます。また、このエリアにはシェラトンホテル、レベリーサイゴンホテル、マジェスティックホテルと言った5つ星ホテルもあります。

フランス当地時代の面影が残る1区中央エリア

そのビジネス・商業の中心から少し北に進んだ1区中央のエリアはフランス統治時代の面影を色濃く残すエリアであり、サイゴン大聖堂、統一会堂、中央郵便局といったフランス時代の建物が観光地として今に残っています。サイゴン植物園は世界でもとても古い部類に入る動物園です。
このエリアにもオフィスビルやホテルが立ち並んでおり、代表的なものではインターコンチネンタルホテル、ソフィテルホテルがあります。2017年には高さ107m、地上25階建てのドイチェハウス(Deutsches Haus)が完成し、在ホーチミンドイツ総領事館も置かれています。HSBCを始めとした外資系企業のオフィスも数多くあります。ダイヤモンドプラザという商業施設があるほか、スターバックスリザーブ、ザ・コーヒークラブといった外資系カフェ、マクドナルドなどのレストランも進出しており、1区南東エリアと連続して商業の中心を構成しています。

1区北部のタンディンエリア

更に北に進むと1区の中でタンディン地区と呼ばれているエリアがあり、こちらは大きな一軒家が立ち並ぶ落ち着いたエリアが広がっています。ハリウッド俳優も訪れたというベトナム料理レストランや、おしゃれなカフェなども点在しています。

日本人街「レタントンエリア」

1区の東の端のエリアは通称レタントンエリアと呼ばれており、大きな日本人街が形成されています。街を歩けばたくさんの日本語の看板が目に入り、たくさんの日本人在住者で毎晩賑わっています。日本人向けのサービスアパートメントもハイグレードなものからそうでないものまで多数存在しており、有名なサービスアパートではランカスターやサイゴンスカイガーデンといったものがあります。日本食レストランなど、日本人向けサービスも数多く存在しています。

1区の西は旅行者のエリア

1区の西側は古くから交通の中心であり、ホーチミン市メトロのターミナルが建設中で、市バスのターミナルも設けられています。ベンタイン市場は多くの観光客で賑わいます。ブイビエン通りには欧米人旅行者が多く集まり、旅行者街が形成されています。バックパッカーが多かったのですが、最近は歩行者天国への指定などもあり、高単価なレストランやホテルも増えてきました。5つ星ホテルのプルマンホテルもこのエリアにあります。

2区

ホーチミン市の2区は面積が広いのが特徴です。
高速道路やホーチミン市メトロなどの開発が相次いており、これから急速な発展が見込まれでいる地区です。その中でも、注目すべき2つの地区について紹介します。

トゥーティエム地区

1区からサイゴン川を挟んだ対岸のトゥーティエム地区は大規模な区画整理と開発が行われており、高層ビルやヴィラが立ち並ぶエリアとなる予定です。
もともとは1区との往来は渡し船だったのですが、2008年には1区の隣のビンタイン区から橋が架けられ、2011年に川底を通るトンネルが開通し1区と結ばれました。2020年現在、さらにもう1本の橋が1区との間に建設中の他、4区、7区に向けて橋を建設する予定があります。これらの橋がすべてつながることでこのエリアがホーチミン市の中心地区として大きな役割となっていくことが予想されています。ホーチミン市メトロ2号線、モノレール2号線がこのエリアを通り、そしてホーチミン市とハノイ市を結ぶ新高速鉄道の終端駅が作られる計画となっています。

タオディエン地区

2区の北に位置するタオディエン地区はホーチミン市で最もおしゃれなエリアとなっており、欧米人在住者が多いのが特徴です。アメリカ、イギリス、ドイツなどのインターナショナルスクールがあるのもこのエリア。ホーチミン市メトロ1号線のタオディエン駅も2021年開業予定です。
ヴィラが多く並ぶエリアでしたが、ここ5年ほどで高層サービスアパートメントも増えてきており日本人駐在員の姿も増えてきました。

7区

もともとは湿地帯だった土地を開発して作られた街であるため、とてもきれいな区画であることが特徴なのが7区。日本人学校(小学校・中学校)、韓国人学校、台湾人学校が並んで建てられていることもあり、日本人、韓国人、台湾人が多く住んでいるエリアです。その中でも韓国人の数が多く、ハングルを至るところで目にします。
ショッピングモールやアパートがきれいに区画された広い道路に沿って並んでいるというのは、喧騒のホーチミン市というイメージからはかなりかけ離れているのではないでしょうか。現在もたくさんのアパートが建設されており、たくさんの客室が供給されています。
3年ほど前より1区に向かう道路の渋滞が激しさを増しており、通常時は2~30分なのが通勤時には1時間以上かかることもあるため、2区のトウーティエム地区を経由する橋などの道路建設が進められています。ホーチミン市メトロ4号線や、モノレール2号線の建設計画があり、1区への通勤も、郊外の工業団地への通勤もどちらも便利なことから日本、韓国を中心とした外国人在住者やベトナム人中間層の人工が増加を続けると予想されています。

4区

1区と7区の間にあるのが4区であり、以前は低所得者の住むエリアとして治安もあまり良くなかったのが、今では1区にとても近いという立地もあり開発が進み、治安も改善されました。
特に1区と4区の境界線であるベンゲー運河沿いには数多くのアパートが建設され、以前のバラック街であった面影は全くなくなりました。ホーチミン市メトロ4号線が4区を南北に貫き、1区や7区と結ばれる予定です。

ビンタイン区

ビンタイン区は1区の北に隣接している区。
特に1区と2区に隣接しているビンタイン区南部にはビンホームセントラルパーク、サイゴンパール、サンワーパール、シティガーデン、マナーといった大規模アパート・ヴィラが数多く存在しています。特にビンホームセントラルパークは10棟以上の建物により構成され病院や学校も擁する街区であり、中心には2018年に完成しベトナム最高層ビルとなったランドマーク81(高さ461メートルは東南アジアでも最高層且つ世界でも15番目の高さ)がそびえ立っています。
ホーチミン市メトロ1号線が2021年に開業する他、メトロ3B号線、メトロ5号線もビンタイン区を通る予定であり、今後の開発が楽しみなエリアです。

3区

3区は1区と隣接しており、1区の延長線上のような都会が広がっています。1区との境界近くにはセンテックタワー(オフィスビル)、Mギャラリーホテルがあり、ホーチミン市日本国総領事館があるのもこの3区です。戦争証跡博物館やサイゴン駅もあり、1区と3区を合わせてホーチミン市の中心を呼ぶ声もあります。
区画が小さいのか、高層ビルがあまり多くはなかったのですが幹線道路沿いを中心に、数年で一気に開発が始まりました。

フーニャン区

1区や3区の北に位置するフーニャン区はタンソンニャット国際空港とホーチミン市を結ぶ位置にあります。3区と隣接するエリアや、ファンシックロン通り周辺が栄えており、開発も随所で行われています。ホーチミン市メトロ4号線、5号線ガフーニャン区を通るように計画されています。

その他、不動産開発が活発なエリア

ホーチミン市ではこれ以外の地区でも多くの不動産開発、都市開発が行われています。
ホーチミン市メトロ1号線で2区を超えた先にある9区では、2021年のメトロ開業に向けて急ピッチで数々のアパートや街区が形成されています。もともとホーチミン市の郊外に位置していたこともあり、開発規模がとても大きいのが特徴です。
他にも、中心部に隣接している5区、8区、10区、というエリアでも商業施設や居住用アパートを中心とした開発が進められています。ホーチミン市の中心部はとても小さなエリアで、半径2kmほどのエリアが中心とされていました。そのため、現在は中心部とは考えられていないエリアでも、今後の道路整備や鉄道網の整備により、タイのバンコクのように都市圏が広がっていくことも考えられます。

 

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